Ken's Veterinary Clinic Tokyo
相談専門 動物クリニック

                               

























本コラム作成の為の参考サイト:

https://ja.wikipedia.org/wiki/ネズミ


https://en.wikipedia.org/wiki/Dipodidae








キヌゲネズミ科

https://ja.wikipedia.org/wiki/キヌゲネズミ科

https://en.wikipedia.org/wiki/Cricetidae

https://ja.wikipedia.org/wiki/レミング

https://en.wikipedia.org/wiki/Lemming

https://www.wikiwand.com/en/Norway_lemming



https://ja.wikipedia.org/wiki/ハタネズミ属

https://en.wikipedia.org/wiki/Microtus


https://ja.wikipedia.org/wiki/エゾヤチネズミ

https://ja.wikipedia.org/wiki/タイリクヤチネズミ

https://en.wikipedia.org/wiki/Grey_red-backed_vole


https://ja.wikipedia.org/wiki/スミスネズミ

https://en.wikipedia.org/wiki/Smith%27s_vole

https://en.wikipedia.org/wiki/Bank_vole

https://en.wikipedia.org/wiki/Western_red-backed_vole

https://en.wikipedia.org/wiki/Zaisan_mole_vole


https://en.wikipedia.org/wiki/Common_vole


























































































































































































































































 院長のコラム 2020年4月20日 ネズミの話H日本の野生ネズミX キヌゲネズミ科@








 ネズミの話H 日本の野生ネズミX キヌゲネズミ科@



2020年4月20日

 皆様、KVC Tokyo 院長 藤野 健です。

日本の野生ネズミのお話の第5回目です。






Lemen. (Lemming) 2011/04/02

Dan Viggo Jensen Lemen Setedalsheiene Norge 2010

https://youtu.be/TP8u2ZkWrW4


レミングは北欧、北極圏に棲息しますが、体型がハムスターそのもの

ですね。しかし院長はネズミ由来の恐ろしい感染症が頭をよぎり、とても

素手では掴む気がしません。噛まれたら大変な事にもなりそうです。

水との親和性が強い動物です。3,4年周期で爆発的に増え、集団

移動します。別名、タビネズミ 旅鼠。


日本のペット店でもレミングの仲間は手に入ります。ハムスター

より可愛い気もするのですが・・・。




https://www.wikiwand.com/en/Norway_lemming


ノルウェーレミングの頭蓋骨


ラットの頭蓋骨と大差有りません。この形態のみからではイヌ科と

ネコ科の違いの様な明確な差異は存在せず、ネズミ科と科レベル

での違いがあると言うよりは単なる属の違い程度に見えます。






キヌゲネズミ科 Cricetidae とは


 従来はネズミ科の動物として分類されていたものですが、それが2005年になり、キヌゲネズミ科として分離・独立させるとの学説が提出されました。但し、この分類法並びにこれが含む動物の範疇が全ての研究者に受け入れられている訳ではありませんが、院長の当コラムではこの学説に倣いキヌゲネズミ科としてお話を進めます。

 およそ680種から構成され、哺乳類としては2番目に大きな科となります。

 確かに、キヌゲネズミ科のレミングやハムスターを見ると他のネズミ科の動物とはちょっと異なり、体型も寸詰まりで丸っこい外形です。尻尾も短めですね。しかし、キヌゲネズミ科の動物は様々な環境に適応していて、バランサーとして働く長い尻尾を持つ登攀性のものもいれば、ずんぐりした体型で耳のサイズの小さな半水中性の種、或いは地上で生活し地中に穴を掘る種など多様性に富みます。必ずしもハムスター風の外見とは限りません。系統関係を見つめ直す過程で、将来的にまた分類の変わる動物も含んでいる様にも感じます。実際、wikipediaでの記述が各国のもので統一が取れておらず、属名にも混乱が起きており、記述されている意味が掴み取れないものもあります。

 身近な例としては、ペットとして広く飼育されるハムスター(乾燥地への適応)、或いは<集団自殺する>ので有名なレミング(寒冷地、水環境への適応、これもペットとして販売される)、日本のハタネズミ(林地、草地への適応)などからも、様々な生息環境に適応していることが窺い知れますね。自ら進んで人家に侵入する動物ではありません。人間側が勝手に取り込んで室内で飼育する動物です。






Western red-backed vole

tps://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/70/Western_red-backed_vole.jpg

born1945 / CC BY (https://creativecommons.org/licenses/by/2.0)


カリフォルニアヤチネズミMyodes californicus 米国カリフォルニア北部ととオレゴンに棲息。

 矢張り、ハムスター風ですね。




Zaisan mole vole Ellobius tancrei

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/99/Ellobius_tancrei.jpg

Kudaibergen Amirekul / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)


キヌゲネズミ科Ellobius 属のZaisan mole vole。中央アジア棲息の

地中生活性が強いネズミです。性染色体のセットは雌雄共にXXです!






vole とは


 小型でずんぐりした体型で耳が小さく尻尾の短めのネズミを英語でvole と総称するのですが、ハタネズミなどのキヌゲネズミの仲間の多くがこれに含まれると考えて宜しいと思います。和訳すればズングリネズミとでも言えそうです。以前のコラムにてヤブイヌについて扱いましたが、彼らは水中生活への適応で耳が小さいと考えられています。vole も地中或いは水中に潜る適応から耳が小さいと考えて大きな間違いでは無いと考えます。因みにモグラ−耳介は失っています−のことは mole と呼びますが、mole vole モグラズングリネズミ? なる地面に潜るのが大得意なキヌゲネズミ科  Ellobius  属の動物も居て混乱させられます。

 この属の以下の2種はネズミ科のトゲネズミの仲間同様にY染色体を持たず両性の性染色体セットは共に XOです:

 コーカサスモグラネズミ Transcaucasian mole vole  Ellobius lutescens 

      アルメニア、アゼルバイジャン、ジョージア、イラク、トルコに棲息

 キタモグラネズミ Northern mole vole  Ellobius talpinus 

      東ヨーロッパとアジアに棲息

 更にははたまた ザイサンモグラネズミ  Zaisan mole vole  Ellobius tancrei  別名 ヒガシモグラネズミeastern mole vole ではY染色体が無いどころか雌雄の性染色体セットは共に XXです! まぁ、これら3種は、雄を決定づける別の種類の遺伝子が別の場所 (体染色体側) に存在し、雄の性発現に責任を持つと言うことなのでしょう。トゲネズミでのこの辺の進化については前回コラムにて論文を紹介していますのでご覧下さい。まぁ、なんとも変わっているのは確かです。